約20年程前に、当時の「林野庁」の提唱で、樹木に接し、癒しを求める行為として「森林浴」という言葉がうまれました。
森林浴は身体に良いとされており、欧米では「森林浴セラピー」や「自然療法」として森林浴が実際に医療の現場で実用化されており、
保険が適用される国もあるほどです。森林浴はとても健康的で、私たちに非常に有益な効果をもたらします。
これらの効果効能には植物が放出する揮発性物質フィトンチッドが影響しています。
※上記の森林浴が私達へもたらす有益な事柄は、各研究所、大学が森林を研究した結果です。
誰の力も借りることなく何百年・何千年と樹木が生き続けることが出来る生命力の源
そもそもフィトンチッドとはロシア語でフィトン(植物)チッド(他の生物を殺す能力を有する)を意味しており、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」という意味を持った造語です。
1930年頃、旧ソビエトのレニングラード大学B・Pトーキン博士は、「マツ、モミ、トドマツ、ネズなどの樹木の葉やニンニク、ネギなどにおいの強い野菜の葉を切り刻み、少しはなれたところに赤痢、チフスなどの病原菌、あるいはアメーバーなどの原生動物を置いておくと、これらの微生物は短時間のうちに死んでしまう」。このような現象を見て「植物は傷つけられると、その周辺にいる他の生物を殺す何かの物質を出す」という研究成果を発表しました。
つまりフィトンチッドには病原菌やウイルスに対して強い抗菌・除菌力を持ちます。
フィトンチッドとは植物から発散される香り成分テルペン類等の揮発性物質であり、植物はその生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています(森林気相現象)。
森にはその森特有のにおいがあります。森の良い香りを形づくっている主成分はテルペン類です。
においの物質には血圧低下や沈静効果があります。アトピー体質の子供が桧のフローリングに接し始めて一週間後、炎症が消えた事例も認められています。また、製材室のテルペン濃度は森林内の50倍ほどで、製材所にぜんそくの子供を連れて行くと、その症状が和らぐといわれています。
このフィトンチッドは観葉植物を含め、あらゆる植物から放出されています。
自然から遠ざかった現代の暮らしだからこそ、身近に植物を飾りませんか。
植物の数が多ければ多いほど、その効果は上昇します。自宅にいながら森林浴も夢ではありません。